けんちょんの数学・情報・教育探検記

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数学コンテスト OMC (Online Math Contest) に参加してみました!

今日初めて OMC (Online Math Contest) に参加してみました!

OMC とは、インターネット上で数学の問題を解き合うコンテストです。OMC は「数学を娯楽として楽しむ」をミッションに掲げていて、完全無料・年齢制限なしのオンライン数学コンテストを週 2 回のペースで開催しています。

OMC のサイト

僕が参加したのは OMC 164 です。2023 年 6 月 29 日 21:00〜22:20 に開催されました。コンテスト時間は 80 分間ですね。参加した感想を書いていきます。

問題画面

問題画面は下図のような感じです。A, B, C, D, E, F という 6 問が出題されるようでした。

よく見ると、問題ごとに配点が決まっているようです。

問題 A B C D E F
配点 100 100 300 400 400 500

A, B 問題は 100 点で易しめであり、F 問題は 500 点で難しいということですね。早速 A 問題から解いてみました!

A 問題 (100 点)

A 問題を開くと、下図の画面になりました。答えを求めて、解答欄に記入して「送信」ボタンを押せばいいようです。

また、Writer とは問題の作者のことですね。今回の OMC 164 の問題はすべて locker_kun さんが作ったようです!

問題内容は「 100 \times 100 個の格子点から  97 個を選ぶ方法のうち、どの 2 点を結ぶ線分も  x 軸または  y 軸に平行であるという条件を満たす方法の個数を求めてください」です。

考えたこと

「選ばれた 97 個点のうち、どの 2 個の点を結ぶ線分も  x 軸または  y 軸に平行である」という条件は、つまり


  •  a = 1, 2, \dots, 100 に対して、選ばれた 97 個の点がすべて直線  x = a 上にある
  •  b = 1, 2, \dots, 100 に対して、選ばれた 97 個の点がすべて直線  y = b 上にある

ということです。

それぞれについて、「100 個の点から 97 個を選ぶ」方法を数えればよく、 {}_{100}\mathrm{C}_{97} (= {}_{100}\mathrm{C}_{3}) 通りあります。

よって、求める場合の数は、

 200 \times  {}_{100}\mathrm{C}_{3} = \displaystyle 200 \times \frac{100 \times 99 \times 98}{3 \times 2 \times 1} = 32340000 通り

となります。

回答を送信!

ここまで解けたら、下図左のように、解答欄に「32340000」と記入して「送信」ボタンを押しました。そうすると、下図右の画面に遷移します。緑色で CA と表示されています。これは Correct Answer の略で「正解」を意味します。気分が高揚しますし、達成感がすごいですね!

一方、間違えると赤色で WA (Wrong Answer の略) と表示されるようです。

B 問題 (100 点)

続いて B 問題です!

考えたこと

一気に見た目が難しそうです。

図を描きながら考えていくことにしましょう。下図のようになっています。ここでは、図形の一部を描いています。

図から、次のことがわかります。

  •  \triangle{P A_{1}A_{2}} \triangle{P B_{1}B_{2}} の面積比は、 9 \times 11 : 4 \times 7 = 99 : 28
  •  \triangle{P A_{2}A_{3}} \triangle{P B_{2}B_{3}} の面積比は、 9 \times 11 : 4 \times 7 = 99 : 28

ここで、落ち着いて考えると  \triangle{P A_{k}A_{k+1}} \triangle{P B_{k}B_{k+1}} の面積比は、 k によらず一定ということが見えて来ます。つまり、


凸多角形  A_{1}A_{2} \dots A_{100} と凸多角形  B_{1}B_{2} \dots B_{100} の面積比は、 99 : 28


ということになります。よって、答えは  \frac{28}{99} です。分子と分母を足した  127 を答えると CA となりました。

E 問題 (400 点)

ここで調子に乗って、C 問題と D 問題を飛ばして一気に E 問題をやってみることにしました。400 点問題ということで難易度が一気に上がります!

この問題は苦労しました。歯応えのある問題なので、まだ解いていない方で挑戦してみたい方は、ぜひ考えてみてください!

この問題については、別途記事にしたいと思います。

結果

結局、80 分の制限時間以内に、A, B, C, D, E の 5 問を解いて 1400 点を獲得しました。

問題 A B C D E F
配点 100 100 300 400 400 500
解けたか ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ ×

そして、得点に応じて、コンテスト中には順位表が常に更新され続けます。最終結果は次のようになりました。僕 (drken) は 12 位でした。初参加としては上出来だったと思います!

そして、コンテストが終わると、コンテスト結果に応じたレーティングが付与されるようです。

ユーザーページを見ると、次のように表示されていました。

つまり、OMC 164 において、レーティング 2353 に相当するパフォーマンスをあげた結果、レーティングが 0 → 1153 へと変化したということですね。

現在のトップランカーはこんな感じです。まだ遠いですが、いずれ追いつきたいですね!

なお、レーティングの値に応じて、「色」がつくようです。AtCoder にも参加している人なら、お馴染みのシステムですね。

レーティング
2800 以上
2400 以上 2800 未満
2000 以上 2400 未満
1600 以上 2000 未満
1200 以上 1600 未満
800 以上 1200 未満
400 以上 800 未満
0 以上 400 未満

感想

とても楽しいです。80 分間という短い時間の中で、問題を解いていって、答えを送信するときのドキドキ感!!

緑色の CA という文字を見たときの高揚感!!

数学の問題を解くことが大好きという人は、ぜひ参加してみましょう!!